しら‐なみ【白波/白浪】
1 泡立って白く見える波。 2 《「後漢書」霊帝紀から。黄巾の乱の残党で、略奪をはたらいた白波賊(はくはぞく)を訓読みしたもの》盗賊。どろぼう。
しらなみごにんおとこ【白浪五人男】
歌舞伎狂言「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」の通称。
しらなみごにんおんな【白浪五人女】
歌舞伎狂言「処女評判善悪鏡(むすめひょうばんぜんあくかがみ)」の通称。
しらなみ‐の【白波の】
[枕]「白波」との関連から、「いちしろし」「よる」「かへる」などにかかる。「—いちしろく出でぬ人の知るべく」〈万・三〇二三〉
しらなみ‐もの【白浪物】
盗賊を主人公とした歌舞伎・講談などの総称。「白浪五人男」など。幕末期に流行し、河竹黙阿弥はその代表的作者。白浪狂言。
しら‐に【白煮】
醤油を使わず、材料を白く煮上げること。また、その煮上げたもの。「蓮根(れんこん)の—」
しら‐に【知らに】
[連語]《動詞「し(知)る」の未然形に打消しの助動詞「ず」の古い連用形「に」の付いたもの》知らないで。知らないので。「たまきはる命惜しけどせむすべのたどきを—かくしてや荒し男(を)すらに嘆き伏せ...
しら‐にぎて【白和幣】
《古くは「しらにきて」「しらにきで」とも》カジノキの皮の繊維で織った白布のにぎて。「榊の枝に—、青和幣(あをにぎて)を取り懸けて」〈太平記・三九〉
しらぬ‐い【不知火】
九州の有明海や八代海(やつしろかい)で、夜間無数の光が明滅する現象。漁船の漁火(いさりび)が異常屈折によって光像を作るために起こる。八朔(はっさく)(陰暦8月1日)ごろの月のない夜に多くみられる...
しらぬい【白縫】
[枕]地名「筑紫(つくし)」にかかる。「—筑紫の国に泣く子なす」〈万・七九四〉 [補説]上代特殊仮名遣いが異なるので「不知火(しらぬひ)」とは別。