ぬれがみ‐ちょうごろう【濡髪長五郎】
浄瑠璃「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」の主人公の一人。大坂相撲の人気力士。義理ある人を助けるため侍を殺し、逃亡の果て、生母に一目逢おうと八幡の親里に現れる。
濡(ぬ)れ紙(がみ)を剝(は)がすよう
1 物事を静かに取り扱うようすのたとえ。 2 病気が日増しに快方に向かうようすのたとえ。
ぬれ‐ぎぬ【濡れ衣】
1 濡れた衣服。身に覚えのない罪をいうたとえ。「その疑いは—だ」 2 根拠のないうわさ。無実の浮き名。ぬれごろも。「憎からぬ人ゆゑは、—をだに着まほしがる類もあなればにや」〈源・紅葉賀〉
濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着(き)・せる
1 無実の罪を負わせる。「同僚に—・せる」 2 根拠のない浮き名を立てる。「おほかたは我が—・せずとも朽ちにし袖の名やは隠るる」〈源・夕霧〉
濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を◦着(き)る
1 無実の罪を負わされる。「仲間をかばって—◦着る」 2 根拠のない浮き名を立てられる。「名にし負はばあだにぞあるべきたはれ島浪の濡れ衣着るといふなる」〈伊勢・六一〉
ぬれ‐げしき【濡れ気色】
色っぽい風情。なまめかしいそぶり。「ゆふべゆふべの—」〈浮・一代女・五〉
ぬれ‐ごと【濡れ事】
1 歌舞伎で、男女が愛情を交わす場面。また、その演出・演技。色模様よりも濃厚で、特に元禄期(1688〜1704)に上方の傾城買(けいせいか)い狂言の中で形成された。 2 情事。色事。
ぬれごと‐し【濡れ事師】
1 歌舞伎で、濡れ事を得意とする役者。色事師。 2 情事に巧みな人。色事師。
ぬれ‐ごろも【濡れ衣】
1 「ぬれぎぬ1」に同じ。「のがるとも誰か着ざらむ—天(あめ)の下にし住まむ限りは」〈大和・四四〉 2 根も葉もないうわさ。ぬれぎぬ。「—は、なほ、え干させ給はじ」〈源・夕霧〉
ぬれ‐しょぼた・れる【濡れしょぼたれる】
[動ラ下一]濡れてぐしょぐしょになる。ひどく濡れる。「大雨が降出したもんだから、道灌さまも—・れて」〈魯文・安愚楽鍋〉