ひじり‐ざま【聖様】
僧らしいようすや振る舞い。世間離れしたようす。「いと世づかぬ—にて」〈源・橋姫〉
ひじり‐だけ【聖岳】
静岡・長野の県境、赤石山脈南部にある山。二峰からなり、東峰を奥聖岳(標高2982メートル)、西峰を前聖岳(標高3013メートル)という。長野県では、西沢山と呼ばれる。南アルプス国立公園に属する。
ひじり‐だ・つ【聖立つ】
[動タ四]高僧らしく見える。「いと—・ちすくすくしき律師にて」〈源・夕霧〉
ひじり‐づか【聖柄】
三鈷柄(さんこづか)の刀剣。一説に、柄に鮫皮(さめがわ)をかけない木地のままのものともいう。
ひじり‐ほうし【聖法師】
修行に専念する僧。「木練地(もくれんぢ)の念珠の大きなるくり下げたる—」〈宇治拾遺・一〉
ひじり‐まど【聖窓】
出格子よりも小さい、箱形の張り出し格子窓。江戸時代、遊郭の局見世(つぼねみせ)などに設けた。
ひじり‐め【聖目】
「聖目(せいもく)」を訓読みした語。「わが手もとをよく見て、ここなる—をすぐにはじけば」〈徒然・一七一〉
ひじ・る
[動ラ四]盗む。奪う。「この金を那智若衆めに…—・り取らりょと致した」〈浄・千本桜〉 [補説]歴史的仮名づかいを「ひぢる」とする根拠未詳。
ひじ・る【聖る】
[動ラ四]《名詞「ひじり(聖)」の動詞化》ひじりらしく振る舞う。戒律を厳しく守る。「若うより—・りて侍りしかば」〈沙石集・四〉
肘(ひじ)を齧(か)・む
《「史記」呉起伝にある、衛の呉起が自分をばかにした三十余人を殺して故郷を出る時、自分の肘を噛んで、母に成功するまで帰らないと誓ったという故事から》固く誓う。また、強く決意する。