量子力学において、量子もつれが存在する場合に不成立となる不等式。1960年代に英国の物理学者ジョン=ベルが導出。その後、アラン=アスペをはじめ、一か所で同時に発生した二つの光子の偏光の向きや電子のスピンを離れた場所で観測する巧妙な実験を行い、この不等式が成り立たないことを確かめた。これにより自然界には空間的な隔たりに依存しない非局所性といわれる性質が存在することが明らかになった。
[補説]のちの
量子情報科学の
基礎となるベルの不等式の破れを
立証した
業績により、アラン=アスペ、ジョン=クラウザー、アントン=ツァイリンガーは、2022年の
ノーベル物理学賞を
受賞した。