まかり【罷り】
1 貴人の前や貴所から退くこと。退出。 2 貴人の食膳(しょくぜん)を取り下げること。また、その膳部。おさがり。「御—に候ふ人は、御—たべ候ひなんとて」〈宇治拾遺・九〉
まかり‐あ・う【罷り逢ふ/罷り合ふ】
[動ハ四]「逢う」「合う」の謙譲語。「—・はむと言ひし人に」〈相模集・詞書〉
まかり‐あか・る【罷り散る】
[動ラ下二]「分散する」「退散する」の意の謙譲語。「いみじうみぞれ降る夜、これかれ—・るる所にて」〈源・帚木〉
まかり‐あ・り【罷り在り】
[動ラ変]「ある」「おる」の意の丁寧語。あります。おります。「お長屋に逗留(とうりう)いたし—・る大坂の住人」〈浄・宵庚申〉
まかり‐い・ず【罷り出づ】
[動ダ下二]「い(出)ず」の謙譲語で、上位者の許しを得て出る意が原義。 1 貴所や貴人などの所から引き下がる。退出する。「梅壺より雨にぬれて、人の—・づるを見て」〈伊勢・一二一〉 2 会話に用い...
まかり‐い・る【罷り入る】
[動ラ四]「入る」の謙譲語。「はや—・れとのたまふ」〈宇津保・蔵開上〉
まかり‐かよ・う【罷り通ふ】
[動ハ四]「行き通う」の意の謙譲語。通ってまいります。「また同じころ、—・ひし所は、人も立ちまさり」〈源・帚木〉
マカリカリパン‐こくりつこうえん【マカリカリパン国立公園】
《Makgadikgadi Pan National Park》⇒マカディカディパン国立公園
まかり‐こ・す【罷り越す】
[動サ五(四)]「越す」(行く、来るの意)の謙譲語。参上する。参る。「仰せによりただ今—・しました」
まかり‐じ【罷り路/罷り道】
死んだ人の通って行く道。死出の道。冥途の道。よみじ。「楽浪(ささなみ)の志賀津(しがつ)の児らが—の川瀬の道を見ればさぶしも」〈万・二一八〉