身(み)を捨(す)ててこそ浮(う)かぶ瀬(せ)もあれ
一身を犠牲にする覚悟で当たってこそ、窮地を脱し、物事を成就することができる。
身(み)を捨(す)・てる
1 一身を犠牲にする。「—・てる覚悟で事に当たる」 2 出家する。「—・てむも惜しかるまじき齢」〈源・若菜下〉 3 からだを投げ出す。ひれ伏すようにする。「—・てて額(ぬか)をつき」〈更級〉
身(み)を立(た)・てる
1 立身出世する。「—・て名を揚げる」 2 生計を成りたたせる。「俳優として—・てる」
身(み)を尽(つ)く・す
自分のすべてをそのために捧げる。一身を捧げる。和歌では多く「澪標(みおつくし)」にかけて用いる。「わびぬれば今はたおなじ難波なる—・しても逢はむとぞ思ふ」〈後撰・恋四〉
身(み)を抓(つ)・む
わが身をつねって人の痛さを知る。自分に引き比べて人に同情する。「ほどもなく消えぬる雪はかひもなし—・みてこそ哀れと思はめ」〈拾遺・恋一〉
身(み)を挺(てい)・する
《「挺身(ていしん)」の訓読みから》身を投げ出して事を行う。また、率先して事に当たる。「おぼれかけている幼児を—・して救う」
身(み)を投(とう)・ずる
1 身投げをする。「断崖から—・ずる」 2 みずから進んで身を置いて熱中する。「政界に—・ずる」
身(み)を投(な)・げる
1 投身自殺をする。「屋上から—・げる」 2 からだを投げ出すようにして速く走る。「狐、—・げて逃ぐれども」〈宇治拾遺・一〉 3 物事に熱中する。「鞠に—・ぐる若君達」〈源・若菜上〉
身(み)を乗(の)り出(だ)・す
1 体を前や外の方に出すようにする。「窓から—・す」 2 強い興味や関心をもつ。膝(ひざ)を乗り出す。「うわさ話に—・す」
身(み)を引(ひ)き締(し)・める
緊張する。真剣になる。「—・めて難局に当たる」