むかし【昔】
1 時間的にさかのぼった過去の一時期・一時点。時間の隔たりの多少は問わずに用いるが、多く、遠い過去をいう。「—の話」「—のままの姿」「とっくの—」 2 過去の10年を1期としてよぶ表し方。「十年...
むかし‐いま【昔今】
昔と今。こんじゃく。「—の御物語に夜更け行く」〈源・朝顔〉
むかし‐え【昔方】
《「え」は方の意》過去の方。昔。いにしえ。むかしべ。「—や今も恋ひしきほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ」〈古今・夏〉
むかしえ‐びと【昔方人】
「昔人(むかしびと)」に同じ。「ここに—の母、一日(ひとひ)、片時も忘れねば」〈土佐〉
むかし‐おとこ【昔男】
《伊勢物語の多くの段が「昔、男ありけり」で始まっているところから》在原業平(ありわらのなりひら)をさす。「その業平は、その時だにも—といはれし身の」〈謡・井筒〉
むかし‐おぼ・ゆ【昔覚ゆ】
[動ヤ下二]昔のようすがしのばれる。古風に思われる。「うちある調度も—・えて安らかなるこそ心にくしと見ゆれ」〈徒然・一〇〉
むかし‐かたぎ【昔気質/昔堅気】
[名・形動]古くから伝わるものを頑固に守り通そうとする気風であること。また、そのさま。「—な(の)職人」
むかし‐がたり【昔語り】
「昔話(むかしばなし)1」に同じ。 [補説]作品名別項。→昔語り
むかしがたり【昔語り】
黒田清輝による油絵作品。高倉天皇と小督の悲恋物語から着想を得て描いたもの。明治31年(1898)に完成し住友家が購入したが、太平洋戦争中の空襲により焼失。制作のためのデッサン・下絵のみが現存する。
むかし‐こばん【昔小判】
慶長小判に先立って鋳造された小判。額面などは墨書されていた。