むぎ【麦】
イネ科のオオムギ・コムギ・ライムギ・エンバクなどの総称。秋に芽が出て冬を越し、夏に開花、結実する。古くから栽培され、食用・飼料として広く利用される。《季 夏》「行く駒の—に慰むやどりかな/芭蕉」
む‐ぎ【無愧】
[名・形動]《仏教では「むき」とも》悪事を働いても恥じないこと。また、その人や、そのさま。「—な卑屈な侮らるべき下劣な情念を」〈嘉村・崖の下〉
むぎ‐あき【麦秋】
「麦秋(ばくしゅう)」を訓読みにした語。《季 夏》「—や狐(きつね)ののかぬ小百姓/蕪村」
むぎ‐あと【麦跡】
麦を刈り取ったあとの畑。また、刈り取ったあとに残った麦の株。
むぎ‐いい【麦飯】
「むぎめし」に同じ。
むぎ‐うずら【麦鶉】
麦が青々とのびる3〜4月ごろのうずら。繁殖期で、鳴き声が高く、肉は美味。《季 春》
むぎ‐うち【麦打ち】
刈り取った麦の穂を、杵(きね)や殻竿(からざお)で打って実を落とすこと。また、その殻竿。麦搗(つ)き。《季 夏》「—や哥(うた)も連なる姉妹/太祇」
むぎうち‐うた【麦打ち歌】
麦打ちのときに歌う仕事歌。日中の庭仕事なので、明るい歌詞が多い。
むぎ‐うるし【麦漆】
生漆(きうるし)に小麦粉をまぜたもの。陶磁器・漆器などの破損部の接着に用いる。
むぎうるるひに【麦熟るる日に】
中野孝次の処女小説。苦学した著者自身の青春時代を題材とする自伝的作品で、3部からなる。昭和53年(1978)刊行。翌年、第7回平林たい子文学賞受賞。