ゆえ‐に【故に】
[接]前に述べた事を理由として、あとに結果が導かれることを表す。数学の証明問題などでは「∴」の記号が用いられる。よって。したがって。「貴君の功績は大きい。—これを賞する」
ゆえ・ぶ【故ぶ】
[動バ上二]わけがありそうにみえる。また、趣や風格がある。「落ちくる水の音さへ—・び、よしある所なり」〈平家・灌頂〉
ゆえゆえ・し【故故し】
[形シク]いわれがありそうである。また、趣深くすぐれている。「—・しき唐橋どもを渡りつつ」〈紫式部日記〉
ゆえ‐よし【故由】
1 いわれ。理由。来歴。「壮士墓(をとこはか)このもかのもに造り置ける—聞きて」〈万・一八〇九〉 2 奥ゆかしい風情。情趣。「人の心移るばかりの—をも」〈源・横笛〉
故(ゆえ)を以(もっ)て
先行の事柄を理由として、後続の事柄が生じることを示す。ゆえに。それで。
ゆえん【所以】
《漢文訓読語の「故(ゆえ)になり」の音変化「ゆえんなり」からか》わけ。いわれ。理由。「人の人たる—」「彼が好かれる—は明るさにある」
ゆ‐えん【由縁】
1 事の起こり。由来。わけ。「地名の—を尋ねる」 2 関係。ゆかり。「百姓町人は—もなき士族に平身低頭し」〈福沢・学問のすゝめ〉
ゆ‐えん【油煙】
1 鉱物油・松やに・油脂・ベンゼンなどが不完全燃焼して発生する微細な炭素粉。インク・墨などの原料になる。 2 「油煙墨」の略。
ゆえん‐がた【油煙形】
炎の形に似た曲線を組み合わせた、上端のとがったアーチの形。欄間・塀などの穴の形として用いられる。
ゆえん‐ずみ【油煙墨】
油煙を膠(にかわ)で固めてつくった墨。掃墨(はいずみ)。→松煙墨