いっ‐すん【一寸】
1 尺貫法の長さの単位。→寸 2 わずかな時間・距離・量、また小さい物事のたとえ。「—のひまも惜しむ」「—のすきもない構え」
いっすん‐あし【一寸足】
小股(こまた)で歩くこと。刻み足。
いっすん‐きざみ【一寸刻み】
いっぺんに殺さず、少しずつ切って苦しめること。また、物事が少しずつ進行すること。「参詣人の列が—に進む」「私の命を—に捨てて行くようにつらい」〈康成・十六歳の日記〉
いっすん‐さき【一寸先】
ちょっと離れた前方。「—も見えない吹雪」
一寸(いっすん)先(さき)は闇(やみ)
ほんの少し先のことも全く予知できないことのたとえ。
一寸(いっすん)下(した)は地獄(じごく)
「板子(いたご)一枚下は地獄」に同じ。
いっすん‐だめし【一寸試し】
少しずつ切り刻むこと。または、そのようにして苦しめること。一分(いちぶ)試し。
いっすん‐のがれ【一寸逃れ】
その場だけをつくろって、一時的に逃れようとすること。当座逃れ。一時逃れ。「帰国(けへ)ッてから返すと、—にごまかして」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉
一寸(いっすん)の光陰(こういん)軽(かろ)んずべからず
わずかな時間でもむだに過ごしてはいけない。→少年老い易(やす)く学成り難(がた)し
一寸(いっすん)延(の)びれば尋(ひろ)延(の)びる
当座の困難を何とかしのいでいけば、先に行って楽になるということのたとえ。