くだり‐ざま【下り様】
物事が悪い方へ向かっていくようす。「かれ悪事を思ふは—の事なれば」〈発心集〉
くだり‐て【下り手】
細工の粗末な品物。安物。「—の片し目貫(めぬき)」〈浮・五人女・二〉
くだり‐ばら【下り腹】
《「くだりはら」とも》下痢をしていること。下痢。
くだり‐ぶね【下り船】
1 川を下っていく船。 2 江戸時代、上方(かみがた)から地方へ行く船。「—の船頭宿願して、順風をこふ」〈咄・醒睡笑・六〉 3 伏見から大坂へ下る乗り合いの三十石船。「伏見の京橋に至りけるに、…...
くだり‐もの【下り物】
上方(かみがた)で生産され、地方へ送られる品物。
くだり‐やくしゃ【下り役者】
上方(かみがた)の役者で、江戸の劇場に出演するために下ってきた者。「例年霜月一日を顔見世と定め、—地ばえの子供思ひ思ひに」〈浮・元禄大平記・八〉
くだり‐やな【下り梁】
下り鮎(あゆ)を捕らえるために仕掛ける梁。《季 秋》「行く秋のところどころや—/蕪村」
くだり‐ゆ・く【下り行く】
[動カ五(四)] 1 坂道などを下っていく。また、都から地方へ行く。 2 世の中が末となっていく。おとろえていく。「—・く運は誰が導きの薄命道」〈一葉・やみ夜〉
くだり‐れっしゃ【下り列車】
その線区で下り方向に走る列車。くだり。⇔上(のぼ)り列車。
くんだり【下り】
[接尾]《「くだ(下)り」の撥音添加》地名などに付いて、中心地からみて遠く隔たった意を表す。「こんな田舎—まで来てしまった」