そがのたいめん【曽我の対面】
歌舞伎狂言。時代物。一幕。曽我兄弟がかたきの工藤祐経(くどうすけつね)に対面する場面。享保(1716〜1736)以後の江戸歌舞伎では、初春狂言の一番目大詰めに必ず演じられた。明治以降は河竹黙阿弥...
たま‐の‐お【玉の緒】
1 玉を貫き通した細ひも。また、その宝玉の首飾り。「初春の初子(はつね)の今日の玉箒(たまばはき)手に取るからに揺らく—」〈万・四四九三〉 2 《玉をつなぐ緒が短いところから》短いことのたとえ。...
たま‐ばはき【玉箒】
《「たまははき」とも》 1 玉の飾りをつけたほうき。正月の初子(はつね)の日に蚕室を掃くのに用いた。「初春の初子(ね)の今日の—手に取るからに揺らく玉の緒」〈万・四四九三〉 2 ほうきを作る草の...
ちよ‐の‐はる【千代の春】
千年もの長寿・繁栄を祈って祝う初春。《季 新年》
月(つき)も朧(おぼろ)に白魚(しらうお)の篝(かがり)もかすむ春(はる)の空(そら)
歌舞伎「三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)」の、お嬢吉三のせりふの冒頭の一節。しらじらと明けて霞んでいる初春の空の情景を表したもの。
とう‐か【踏歌】
中国から伝わった集団歌舞。足を踏み鳴らして歌い舞うもので、平安時代には宮中の初春の行事として盛行、正月14日に男踏歌、16日に女踏歌が行われた。その歌詞は、元来は唐詩、のちに催馬楽(さいばら)も...
とおり‐かぐら【通り神楽】
1 町を流して歩く太神楽(だいかぐら)。 2 歌舞伎下座音楽の一。篠笛(しのぶえ)と桶胴(おけどう)または大太鼓による囃子(はやし)。1を模したもので、初春の郭(くるわ)の場面などに用いる。
ねこ‐の‐こい【猫の恋】
晩冬から初春にかけて、猫が交尾期にあること。《季 春》「うらやまし思ひきる時—/越人」
ねびきのまつ【根曳の松】
地歌・箏曲。手事物(てごともの)。松本一翁作詞、三橋勾当作曲。文化・文政(1804〜1830)ごろ成立。上方の初春の情景をうたったもの。
のりあいぶね【乗合船】
歌舞伎舞踊。常磐津(ときわず)。本名題「乗合船恵方万歳(えほうまんざい)」。3世桜田治助作詞、5世岸沢式佐作曲。天保14年(1843)江戸市村座で初演のときの名題「魁香樹(かしらがき)いせ物語」...