あえ‐ず【敢えず】
[連語]《動詞「あ(敢)う」の未然形+打消しの助動詞「ず」が固定して用いられたもの》 1 (動詞の連用形に付いて)十分にしおえることができないで。…しきれないで。「涙もせき—語り続ける」「取るも...
あえ‐て【敢えて】
[副]《動詞「あ(敢)う」の連用形+接続助詞「て」から》 1 やりにくいことを押しきってするさま。無理に。「言いにくいことを—言おう」 2 (あとに打消しの語を伴って) ㋐特に取り立てるほどの状...
あか‐なくに【飽かなくに】
[連語]《動詞「あ(飽)く」の未然形+打消しの助動詞「ず」のク語法+格助詞「に」》 1 (詠嘆の意で)満足しないのになあ。あきたりないのになあ。「明けぬべく千鳥しば鳴く白たへの君が手枕(たまくら...
あ‐が【吾が】
[連語]《一人称の人代名詞「あ」+格助詞「が」》 1 《「が」は主格を表す》私が。「一世(ひとよ)にはふたたび見えぬ父母を置きてや長く—別れなむ」〈万・八九一〉 2 《「が」は連体格を表す》私の...
あく‐まで【飽く迄】
[副]《動詞「あ(飽)く」の連体形+副助詞「まで」から》 1 物事を最後までやりとおすさま。徹底的に。「—(も)自説を貫く」 2 どこまでも。全く。「—(も)青い海」 3 《どこまでいってもその...
あさも‐よし【麻裳よし】
[枕]《「よ」「し」は間投助詞か》麻を紀伊の特産とするところから「紀」「紀人(きひと)」「紀路(きぢ)」「城上(きのへ)(地名)」などにかかる。「—紀へ行く君が」〈万・一六八〇〉 「—紀路に入り...
あ‐せ【吾兄】
[代]二人称の人代名詞。女子が男子を親しんで呼ぶ語。上代では多く間投助詞「を」を伴って、歌の囃子詞(はやしことば)に用いた。「尾津(をつ)の崎(さき)なる一つ松、—を」〈記・中・歌謡〉
あた・う【能う】
[動ワ五(ハ四)]《もと必ず打消しを伴い、活用語の連体形に「こと」や助詞「に」を付けて「…にあたわず」「…ことあたわず」の形で多く用いられたが、明治以後は肯定の言い方もみられる》 1 可能の意を...
あど
[副]《上代東国方言といわれる》 1 疑問を表す。どのように。いかに。「高麗錦(こまにしき)紐解き放(さ)けて寝(ぬ)るが上(へ)に—せろとかもあやにかなしき」〈万・三四六五〉 2 (あとに係助...
あ‐な‐すえ【足末】
《「あ」は「あし(足)」の古形。「な」は「の」の意の格助詞》 1 足の先。つま先。「頭より—ただにあやにしきをたちきりて」〈宇津保・忠こそ〉 2 子孫。末裔(まつえい)。「同じ帝の母后の御—にて...