ゆい‐しん【唯心】
1 仏語。すべての存在は心の現れであって、ただ心だけが存在するということ。華厳経の中心思想。 2 すべての根源が精神にあるとし、精神を中心に考えること。⇔唯物。
ゆいしん‐いっとうりゅう【唯心一刀流】
江戸前期の剣術の一派。伊東一刀斎景久の門人、古藤田(こふじた)勘解由左衛門唯心により創始。古藤田流。
ゆいしん‐えんぎ【唯心縁起】
仏語。一切の諸法は一心の縁起によって顕現したものであるということ。
ゆいしん‐の‐じょうど【唯心の浄土】
仏語。一切の存在はすべて心の現れであるという見方から、浄土も自分自身の心の現れであり、心の中に存在するという考え。
ゆいしん‐の‐みだ【唯心の弥陀】
仏語。一切の存在は心の現れであるという見方から、阿弥陀仏も自分自身の心の現れであって、心の中に存在するという考え。己心の弥陀。
ゆいしんぼうしゅう【唯心房集】
藤原頼業の家集。1巻。成立年未詳。系統の異なる複数の本が伝わる。
ゆいしん‐ろん【唯心論】
哲学で、世界の本質と根源を精神的なものに求め、物質的なものはその現象ないし仮象と見なす形而上学的、世界観的な立場。プラトン・ライプニッツ・ヘーゲルらがその代表者。⇔唯物論。→観念論