くず【国栖/国巣/国樔】
《「くにす」の音変化》 1 古代、大和の吉野川上流の山地にあったという村落。また、その住民。宮中の節会(せちえ)に参り、贄(にえ)を献じ、笛を吹き、口鼓(くちつづみ)を打って風俗歌を奏した。くず...
くず【国栖】
謡曲。五番目物。反乱のために吉野の菜摘川に逃れた天武天皇を、老人夫婦が追っ手から隠し、やがて天女と蔵王権現が現れて天皇を祝福する。
くず‐うた【国栖歌】
古代、宮中の節会(せちえ)の際、国栖1が参内して奏した風俗歌。→国栖の奏(そう)
くず‐がみ【国栖紙】
奈良県の国栖地方で産する和紙。コウゾで漉(す)いた厚紙で、表具などに用いる。
くず‐の‐そう【国栖の奏】
古代、宮中で元旦をはじめ数々の節会(せちえ)に、国栖1が参内し、土地の御贄(みにえ)を献じ、歌舞や笛を奏したこと。平安時代以降、国栖人(くずひと)の参仕が絶え、雅楽寮の楽人により代奏された。
くず‐の‐まい【国栖の舞】
古代の宮中の節会(せちえ)に、国栖人(くずびと)が行った歌舞。→国栖の奏(そう)
くに‐す【国栖/国巣/国樔】
「くず(国栖)」に同じ。「—らが春菜つむらむ」〈万・一九一九〉