あめ‐つち【天地】
1 天と地。全世界。てんち。「—は広しといへど、我(あ)がためは狭(さ)くやなりぬる」〈万・八九二〉 2 天地の神々。「いざ子ども狂(たは)わざなせそ—の堅めし国そ大和島根は」〈万・四四八七〉
あめつち‐の‐ことば【天地の詞】
平安初期の、手習いの教材。仮名48文字を重複しないように使って作ったもの。「あめ(天)つち(地)ほし(星)そら(空)やま(山)かは(川)みね(峰)たに(谷)くも(雲)きり(霧)むろ(室)こけ(苔...
あめつち‐の‐ふくろ【天地の袋】
女子が、新年に幸福を多く取り入れるようにと上下を縫い合わせて作る祝いの袋。春袋(はるぶくろ)。天地(てんち)袋。「—の数し多かれば」〈一条大納言家歌合〉
てん‐ち【天地】
1 天と地。 2 宇宙。世界。世の中。「自由の—を求めて旅立つ」「新—」 3 書物・荷物などの、上と下。「紙の—」
てんちうじょう【天地有情】
土井晩翠の第1詩集。明治32年(1899)刊。漢語調・七五調の定型詩40編、訳文5編からなる。
てんち‐かい【天地会】
中国、清代の秘密結社。18世紀中ごろ、福建に起こり、華中・華南で組織。打富済貧を掲げてしばしば反乱を起こし、19世紀以降は反清復明(はんしんふくみん)を唱えた。三合会。
てんち‐かいびゃく【天地開闢】
天地の開けはじめ。世界の初め。「—以来の出来事」 [補説]古代中国の思想で、天地は初め混沌(こんとん)とした一つのものであったが、分離してこの世界ができたとする。
てんち‐がえし【天地返し】
1 土の表層と深層を入れ替えること。もとは農耕・園芸の用語だが、福島第一原発事故以降は放射性物質で汚染された土壌をこの方法で除染する意味でも用いられる。 2 味噌の製造過程で、均一に熟成させるた...
てんち‐げんこう【天地玄黄】
《「易経」坤卦から》天は黒く、地は黄色い、の意。天地の色、また、天地。「千字文」の初句。
てんちこんげん‐づくり【天地根元造(り)】
日本固有の最も原始的な家屋として想定される建築形式で、扠首(さす)組の切妻葺(ぶ)き屋根を地表まで葺き下ろしたもの。