さ‐ば【娑婆】
「しゃば(娑婆)」に同じ。「—のほかの岸(=彼岸)に至りてとくあひ見む」〈源・若菜下〉
しゃば【娑婆】
《(梵)sahāの音写。忍土・堪忍土などと訳す》 1 仏語。釈迦が衆生(しゅじょう)を救い教化する、この世界。煩悩(ぼんのう)や苦しみの多いこの世。現世。娑婆世界。 2 刑務所・兵営などにいる人...
しゃば‐いらい【娑婆以来】
久しぶりに会ったときに使うあいさつの語。江戸時代、通人仲間で用いた。また、特に遊郭内で知人に出会ったときにも用いた。「—是(これ)は是はとそり返り」〈柳多留・三〉
しゃば‐け【娑婆気】
現世に執着する心。世俗的な名誉や利益を求める心。しゃばき。しゃばっけ。「—を起こす」「—が抜けない」
しゃば‐せかい【娑婆世界】
「娑婆1」に同じ。「—の思ひ出にとて」〈平家・三〉
しゃばっ‐け【娑婆っ気】
「しゃばけ(娑婆気)」に同じ。
娑婆(しゃば)で見(み)た弥三郎(やさぶろう)
知っている人なのに、知らないふりをすること。弥三郎は、弥次郎・弥十郎などともいう。「この世の人とも思はれず、—殿の御礼」〈浮・一代男・七〉
しゃば‐ふさぎ【娑婆塞ぎ】
生きているというだけで、なんの役にも立たないこと。また、その人。しゃばふさげ。「娌子(よめご)にあかるる身となり、一日も—」〈浮・織留・一〉