かん‐ねぶつ【寒念仏】
僧が寒の30日間、明け方に山野に出て声高く念仏を唱えること。のちには俗人も寒夜、鉦(かね)を打ちたたいて念仏を唱え、家々の門前で報謝を請い歩いた。かんねんぶつ。《季 冬》「—鬼で目をつく切り回向...
かん‐ねんぶつ【寒念仏】
⇒かんねぶつ(寒念仏)
かん‐の‐いり【寒の入り】
寒に入ること。また、その日。1月5、6日ごろにあたる。《季 冬》「晴天も猶つめたしや—/杉風」
かん‐の‐みず【寒の水】
寒中の水。薬になるといわれ、この水で餅(もち)をついたり、服薬に用いたりする。《季 冬》「見てさへや惣身にひびく—/一茶」
かん‐の‐もどり【寒の戻り】
晩春のころ、一時的に寒さがぶり返すこと。
かん‐ばい【寒梅】
寒中に咲く梅。冬至梅(とうじばい)・寒紅梅などの品種のもの。《季 冬》「—を手折るひびきや老が肘(ひぢ)/蕪村」
かん‐ぱ【寒波】
寒気団が温暖な地域に進入し、気温が急激に下がる現象。「—到来」《季 冬》「—急日本は細くなりしまま/青畝」
かん‐ひざくら【寒緋桜】
「ヒカンザクラ(緋寒桜)」に同じ。
かん‐ぴん【寒貧】
ひどく貧しいこと。赤貧。「素(す)—」「一—の書生を以て」〈鉄腸・花間鶯〉
かん‐ぶな【寒鮒】
寒中にとれるフナ。脂がのって美味。《季 冬》「—の一夜の生に水にごる/信子」