との‐ごも・る【殿隠る】
[動ラ四] 1 《殯(もがり)の宮にこもる意から》「死ぬ」の尊敬語。おかくれになる。崩御する。「大殿を仕へ奉りて—・り隠りいませば」〈万・三三二六〉 2 《寝殿にこもる意から》「寝る」の尊敬語。...
ど‐な‐た【何方】
[代] 1 不定称の人代名詞。「だれ」の意の尊敬語。「あの方は—ですか」「—かおいででしょうか」 2 不定称の指示代名詞。どの方向。どちら。「—へ参らうずると」〈虎明狂・東西迷〉
なさり◦ます
[連語]《動詞「なさる」の連用形+丁寧の助動詞「ます」》 1 尊敬語「なさる」の丁寧表現。「どうぞ—◦ましたか」〈洒・遊僊窟烟之花〉 2 「お」「御(ご)」を伴った動詞の連用形または動作性の漢語...
なさ・る【為さる】
[動ラ五(四)] 1 「する」「なす」の尊敬語。あそばす。「研究を—・る」 2 (補助動詞)他の動詞の連用形や動作性の漢語名詞に付いて敬意を添える。「お…なさる」「御(ご)…なさる」の形でも用...
なされ◦ます
[連語]《動詞「なされる」の連用形+丁寧の助動詞「ます」》 1 尊敬語「なされる」の丁寧表現。「これを—◦ましては何と御座りませう」〈伎・なぐさみ曽我〉 2 「お」「御(ご)」を伴った動詞の連用...
な・す【寝す】
[動サ四]《動詞「ぬ(寝)」に上代の尊敬の助動詞「す」が付いて音変化したもの》「寝る」の尊敬語。寝ていらっしゃる。「沖つ波来寄する荒磯(ありそ)をしきたへの枕とまきて—・せる君かも」〈万・二二二〉
なは・る
[動ラ五(四)]《「なさる」の音変化》 1 「する」の尊敬語。なさる。江戸中期以降、上方のちに江戸の遊里で用いられ、やがて一般の町家にも広まった。「南でするやうな事—・ると中居が興をさます」〈洒...
なん・す
[動サ特活]《「なさります」の音変化「なさんす」がさらに音変化した語か。近世の遊里語》 1 「する」の尊敬語。なさいます。「お前はこちら枕に—・すかえ」〈洒・聖遊廓〉 2 (補助動詞)「お…なん...
にじゅう‐けいご【二重敬語】
同じ種類の敬語を重ねて使うこと。ふつう、誤りとされる。尊敬語を重ねた「おっしゃられる(「おっしゃる」と「れる」)」や、謙譲語を重ねた「ご参上する(「参上」と「ご…する」)」など。 [補説]ただし...
のた・ぶ【宣ぶ】
[動バ四]《動詞「の(宣)る」に「た(賜)ぶ」の付いた「のりたぶ」の音変化》「言う」の尊敬語。おっしゃる。「雨は降る去ねとは—・ぶ笠は無し」〈梁塵秘抄・二〉