さし‐あた・る【差(し)当(た)る】
[動ラ五(四)] 1 その物事や、その時に出あう。当面する。直面する。「只—・った面目なさに消えも入りたく思うばかり」〈二葉亭・浮雲〉 2 光が直接に当たる。「日の—・りたるに」〈能因本枕・七〉
さし‐あ・てる【差(し)当てる】
[動タ下一][文]さしあ・つ[タ下二] 1 直接に物に接触させる。じかに押し当てる。「額に手を—・てる」 2 その事に当たらせる。「宿直(とのゐ)に—・てなどしつつ」〈源・浮舟〉 3 ねらいをつ...
さし‐あぶら【差(し)油】
1 機械に油を差すこと。また、その油。 2 油皿に灯油をつぎ足すこと。また、その油。「ところどころの—ども」〈紫式部日記〉
さし‐あゆ・む【差し歩む】
[動マ四]あるく。歩行する。「紅梅のただいま盛りなる下より—・みたるに」〈かげろふ・下〉
さし‐あわ・す【差し合はす】
[動サ下二] 1 心などを一つにする。示し合わせる。「義経も奥州より—・せてとくとく本意を遂げ候はん」〈義経記・三〉 2 物事が重なって起こる。「おほやけごと—・せたる日なれば」〈大鏡・師尹〉 ...
さし‐あわせ【差(し)合(わ)せ】
1 「差し担(にな)い」に同じ。 2 都合よく持ち合わせていること。急場の用に役立つこと。「宝は身の—、これを売りて当座の用にたつるより外なし」〈浮・胸算用・五〉
さし‐い・ず【差し出づ/射し出づ】
[動ダ下二] 1 《「さし」は光が射す意》さしはじめる。輝き出る。「日も—・でぬべし」〈枕・三六〉 2 ㋐はっきり姿を現す。ぬきんでる。「さる滝の上に、わらふだの大きさして、—・でたる石あり」〈...
さし‐いで【差し出で】
出過ぎた振る舞いをすること。でしゃばり。「すべて—は、わらはも大人もいと憎し」〈枕・二八〉
さしいで‐ぐち【差し出で口】
「さしでぐち」に同じ。
さし‐いらえ【差し答へ/差し応へ】
1 返事。受け答え。「さるべきことの—、繁樹もうち覚え侍らむかし」〈大鏡・序〉 2 演奏の相手をすること。「さらに今日の御遊びの—に」〈源・若菜下〉