おくじょうのきょうじん【屋上の狂人】
菊池寛の戯曲。大正5年(1916)発表。狂人であることのほうが、かえって幸福ではないかとする人生への懐疑と皮肉を描く。
おそろしきなかだち【恐ろしきなかだち】
《原題、(スペイン)El gran Galeoto》エチェガライの戯曲。3幕。1881年刊。若い作家の庇護者(ひごしゃ)夫婦の幸福な家庭が、世間のうわさ話のために崩壊していくさまを描く。
負(お)わず借(か)らずに子(こ)三人(さんにん)
借金がなく、子供が三人ぐらいいる家庭が、まずは幸福といえるということ。
かい‐ひ【海彼】
海のかなた。海外。外国。「万里の—にいる君の幸福を祈る」〈芥川・第四の夫から〉
かぜたちぬ【風立ちぬ】
堀辰雄(ほりたつお)の小説。昭和11〜13年(1936〜1938)発表。死の近づいている婚約者との生活を通して、主人公の中に、時間を超越した生の意味と幸福感が確立してゆく過程を描く。
かならず‐しも【必ずしも】
[副]《「し」は副助詞、「も」は係助詞》打消しの語を伴って、必ず…というわけではない、…とは限らない、という気持ちを表す。「金持ちが—幸福ではない」「—そうとはいえない」
か‐ふく【禍福】
災難と幸福。不運と幸運。
禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如(ごと)し
《「史記」南越伝から》幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくるということ。吉凶は糾える縄の如し。
禍福(かふく)門(もん)なし唯(ただ)人(ひと)の招(まね)く所(ところ)
《「春秋左伝」襄公二十三年から》幸福と不幸は、やってくる門があらかじめ決まっているわけではなく、その人自身が招くものである。
か‐ほう【果報】
[名・形動] 1 よい運を授かって幸福なこと。また、そのさま。「—な身分」 2 仏語。前世での行いの結果として現世で受ける報い。