いく【幾】
[接頭]名詞に付く。時には形容詞に付くこともある。また、接尾語が付いて副詞をつくることもある。 1 数量の不明・不定の意を表す。「—人」「—日」 2 数量の多い意や年月の長い意を表す。「—千万」...
いく‐え【幾重】
何枚も重なっていること。いくつかの重なり。「雲が—もかかる」「—も人垣ができる」
いくえ‐にも【幾重にも】
[副]何度も繰り返すさま。「—お頼み申し上げます」
いく‐か【幾日】
1 いくにち。「あれは—掛かったら抜けるだろう」〈漱石・二百十日〉 2 かなりの日数。また、多くの日数。「相見ては—も経ぬをここだくも狂ひに狂ひ思ほゆるかも」〈万・七五一〉
いく‐かえり【幾返り】
いくたび。なんべん。「大空をめぐる月日の—今日行く末にあはむとすらむ」〈かげろふ・中〉
いく‐せ【幾瀬】
1 いくつかの瀬。また、たくさんの瀬。「大井川かがりさしゆく鵜飼舟—に夏の夜を明かすらむ」〈新古今・夏〉 2 多くのこと。ひとかたならぬこと。かずかず。「それは—の物案じ、それ故にこの病」〈浄・...
いく‐せいそう【幾星霜】
苦労を経た上での、長い年月。いくとしつき。「敗戦から—を経て今日に至る」
いく‐そ【幾そ】
《「そ」は「十(そ)」か》 1 多くの数量。どれほどたくさん。「—の羊の歩みを過ぐし来ぬらむ」〈栄花・初花〉 2 (副詞的に用いて)どれほど多く。数多く。「網代守(も)る宇治の川瀬は年つもり—月...
いくそ‐たび【幾そ度】
1 どのくらいの回数。何回。「葦辺(あしべ)こぐ棚なし小舟—行きかへるらむ知る人もなみ」〈伊勢・九二〉 2 多くの回数。「—君がしじまに負けぬらむ物な言ひそと言はぬたのみに」〈源・末摘花〉
いくそ‐ばく【幾そ許】
1 どれほど。どのくらい。「花ごとにあかず散らしし風なれば—わが憂しとかは思ふ」〈古今・物名〉 2 どれほど多く。「—の犯しをして、かく七度までは、あさましくゆゆしき事なり」〈宇治拾遺・四〉