いるかせ【忽せ】
[形動ナリ]おろそかなさま。いい加減であるさま。ゆるがせ。「何ぞ僧を—にせんや」〈今昔・一七・一一〉
くつな‐しょとう【忽那諸島】
瀬戸内海の安芸灘(あきなだ)と伊予灘を分ける位置にある島群。愛媛県松山市に属する。平安〜戦国時代、忽那氏の根拠地。
こっ‐しょ【忽諸】
《たちまちに滅び尽きる意》軽んじること。ないがしろにすること。「次に夜の事誠の御使いと存じ侍れば、いかでか忝(かたじけな)くも宣旨を—し奉るべき」〈盛衰記・一三〉
こつ【忽】
[名]数の単位。1の10万分の1。→位(くらい)[表] [ト・タル][文] [形動タリ]にわかであるさま。突然。「—として消え去る」
こつ【忽】
[人名用漢字] [音]コツ(漢) [訓]たちまち ゆるがせ 1 たちまち。「忽焉(こつえん)・忽然」 2 おろそか。「忽略/軽忽・粗忽」
こつ‐えん【忽焉】
[ト・タル][文][形動タリ]突然ある状態になるさま。にわかに。たちまち。忽然。「—として湧起こった」〈中島敦・名人伝〉
こつ‐じょ【忽如】
[ト・タル][文][形動タリ]にわかなさま。たちまち。突然。忽然。「—としてその心の地盤は崩れ」〈嘉村・秋立つまで〉
こつ‐ぜん【忽然】
[ト・タル][文][形動タリ]物事の出現・消失が急なさま。忽如(こつじょ)。こつねん。「—として消えうせる」 [副]にわかに。突然。「—隣座敷の時計がチーンと鳴り始めた」〈漱石・夢十夜〉
こつ‐ねん【忽然】
[ト・タル][文][形動タリ]「こつぜん(忽然)」に同じ。「其の眼(まなこ)の光に五体—と縮みて」〈木下尚江・良人の自白〉
こつ‐りゃく【忽略】
[名](スル)おろそかにすること。ゆるがせにすること。なおざりにすること。「凡そ人第一義を—し」〈西周・明六雑誌三八〉