い‐こん【遺恨】
1 忘れがたい深いうらみ。宿怨(しゅくえん)。「—を晴らす」「—試合」 2 残念に思うこと。「極めたる—の事になん」〈今昔・一二・二三〉
えん‐こん【怨恨】
うらむこと。また、深いうらみの心。「—による犯行」
かい‐こん【悔恨】
[名](スル)過ちを後悔して残念に思うこと。「—の情」「是余が非徳の致す所—するとも曷(なん)ぞ及ばん」〈染崎延房・近世紀聞〉
こん【恨】
[常用漢字] [音]コン(漢) [訓]うらむ うらめしい うらむ。うらめしい。うらみ。「恨事/遺恨・怨恨(えんこん)・悔恨・痛恨」
し‐こん【私恨】
個人的なひそかな恨み。私怨(しえん)。
しゅく‐こん【宿恨】
⇒しゅっこん(宿恨)
しゅっ‐こん【宿恨】
かねてから抱きつづけてきた恨み。積年の恨み。宿怨(しゅくえん)。宿意。
た‐こん【多恨】
[名・形動]うらむ気持ちや、後悔する気持ちの多いこと。また、そのさま。「多情—」「人生は斯の如く—なり」〈透谷・明治文学管見〉
たじょうたこん【多情多恨】
尾崎紅葉の小説。明治29年(1896)発表。亡妻に対する主人公鷲見柳之助(すみりゅうのすけ)の愛情の微妙な推移を、言文一致の文体で描く。
たじょう‐たこん【多情多恨】
[名・形動]感じやすいために、うらんだり悔やんだりする気持ちの多いこと。また、そのさま。「芸術家は本来—だから」〈漱石・吾輩は猫である〉 [補説]書名別項。→多情多恨