け‐しょう【懸想】
⇒けそう(懸想)
け‐そう【懸想】
[名](スル)《「けんそう」の撥音の無表記》思いをかけること。恋い慕うこと。けしょう。「ひそかに—している」
けそう・ず【懸想ず】
[動サ変]思いをかける。恋い慕う。「年頃—・じ給へる人の太秦(うづまさ)に日頃籠り給へるに」〈狭衣・一〉
けそう‐だ・つ【懸想立つ】
[動タ四]恋い慕う気持ちが外に表れる。色めく。「なほざりのすさびにても、—・ちたることはいとまばゆく」〈源・総角〉
けそう‐ば・む【懸想ばむ】
[動マ四]「懸想立つ」に同じ。「—・みなまめかむもまばゆし」〈源・夕霧〉
けそう‐びと【懸想人】
思いをかけている人。恋をしている人。「我等をば—の数にも入れざなるこそからけれ」〈宇津保・嵯峨院〉
けそう・ぶ【懸想ぶ】
[動バ上二] 1 恋い慕う気持ちを態度に表す。なまめいた態度をとる。けそうだつ。「はじめより—・びても聞こえ給はざりしに」〈源・夕霧〉 2 なまめかしい雰囲気になる。「灯こそいと—・びたる心地す...
けそう‐ぶみ【懸想文】
1 懸想の気持ちをつづった手紙。恋文。艶書(えんしょ)。 2 江戸時代、正月に、京都などで懸想文売りが売り歩いたお札。恋文に似せて縁起を祝う文が書いてある。これを買うと良縁が得られるとされた。
けそうぶみ‐うり【懸想文売り】
懸想文(けそうぶみ)2を売り歩いたこと。また、その人。赤い着物に赤い袴(はかま)で、立烏帽子(たてえぼし)をつけ、白い覆面をしていた。《季 新年》