[動カ五(四)]
1 指先やつめ、またはそれに似たもので物の表面を強くこする。「かゆい所を—・く」
2 手やそれに似たものであたり一帯にある物を引き寄せたり押しのけたりする。「雪を—・く」「手で水を—・いて進む」
4 刃物を押し当てて細かく削りとる。「氷を—・く」「かつおぶしを—・く」
5 箸 (はし) などですばやく混ぜ合わせて粘液状の物にする。「からしを—・く」
6 犂 (すき) などで田畑を耕す。「苗代を—・く」
7 あまり好ましくないものを表面にだす。
㋐恥などを身に受ける。「赤っ恥を—・く」
㋑涙や汗などをからだの外に出す。「寝汗を—・く」「べそを—・く」
㋒いびきを立てる。「高いびきを—・く」
8 「…する」をののしっていう語。「欲を—・くな」
11 髪をくしけずる。
「目に髪のおほへるを—・きはやらで」〈枕・一五一〉
出典:青空文庫
・・・したり縮めたりして藻掻く様は命の薄れるもののように見えた。暫くす・・・ 有島武郎「カインの末裔」
・・・に摩って、また指尖で掻くように弄った。 レリヤは別荘の方に向いて・・・ 著:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ 訳:森鴎外「犬」
・・・が強くってベソなんか掻くもんだ。」「じゃ、やっぱり弱虫じゃないか・・・ 泉鏡花「海異記」