さだ【時】
時機。また、盛りの年齢。→時(さだ)過ぐ
さだすぎ‐びと【時過ぎ人】
盛りの年齢を過ぎた人。「—をも…いたくな軽め給ひそ」〈源・若菜下〉
さだ‐す・ぐ【時過ぐ】
[動ガ上二] 1 時機を失する。「沖つ波辺波の来寄る左太の浦のこの—・ぎて後恋ひむかも」〈万・二七三二〉 2 盛りの年齢を過ぎる。「いと—・ぎ、ふるぶるしき人の」〈枕・八三〉
し・く【時化く】
[動カ下二]「しけ(時化)る」の文語形。
しぐ・る【時雨る】
[動ラ下二]「しぐれる」の文語形。
しぐれ【時雨】
1 秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。《季 冬》「天地(あめつち)の間にほろと—かな/虚子」 2 「時雨煮」の略。 3 涙ぐむこと。涙を落とすこと。また、その涙。「十月...
しぐれ‐かん【時雨羹】
和菓子の一。赤小豆のこしあんに、しん粉と砂糖・塩少々をまぜ合わせ、そぼろにして四角の枠に入れて蒸したもの。
しぐれ‐き【時雨忌】
松尾芭蕉(まつおばしょう)の忌日。陰暦10月12日。時雨の多い季節であること、また芭蕉が時雨を好んで句作に用いたことにちなむ。翁忌(おきなき)。桃青忌。芭蕉忌。《季 冬》
しぐれ‐ごこち【時雨心地】
1 時雨の降りそうな空模様。 2 涙の出そうな気持ち。「大空は曇らざりけり神無月—は我のみぞする」〈拾遺・恋一〉
しぐれさいぎょう【時雨西行】
長唄。河竹黙阿弥作詞、2世杵屋勝三郎作曲。元治元年(1864)初演。謡曲の「江口」に取材したもの。雨宿りした西行が遊女と和歌のやりとりをするうち、遊女は普賢菩薩(ふげんぼさつ)となる。