おぼ‐ろ【朧】
[名] 1 タイ・ヒラメ・エビなどの肉をすりつぶして味を付け、いり煮にした食品。そぼろ。 2 「朧昆布」「朧豆腐」「朧饅頭(まんじゅう)」などの略。 [形動][文][ナリ] 1 ぼんやりとか...
おぼろ‐おぼろ【朧朧】
[副]ぼうっとかすんでいるさま。ぼんやり。「過ぎ去ッた事は山媛(やまひめ)の霞に籠(こも)ッて—、とんと判らぬ事而已(のみ)」〈二葉亭・浮雲〉
おぼろ‐ぎん【朧銀】
1 銀細工の器物の表面を梨子地(なしじ)にして光沢を消したもの。 2 銅3、銀1の割合の合金。装飾品などに使う。
おぼろ‐ぐも【朧雲】
空一面に広がる高層雲のこと。雨の前兆になる。
おぼろ‐げ【朧げ】
[形動][文][ナリ]《「げ」は接尾語》はっきりしないさま。不確かなさま。「—な記憶」 [補説]「おぼろけ」が、月などについて「おぼろ(朧)」と掛け詞に用いられ、両者混同して生じた語。
おぼろ‐こぶ【朧昆布】
昆布を酢で湿らせ、ごく薄く長く削ったもの。とろろ昆布の一種。吸い物などに用いる。おぼろ。
おぼろ‐ぞめ【朧染(め)】
染め色の名。着物の裾を薄く、上のほうへだんだん濃くぼかして染めたもの。江戸前期、寛文(1661〜1673)のころ、京都の紺屋新右衛門が始めたという。
おぼろ‐づき【朧月】
霧や靄(もや)などに包まれて、柔らかくほのかにかすんで見える春の夜の月。《季 春》「大原や蝶(てふ)の出て舞ふ—/丈草」
おぼろ‐づきよ【朧月夜】
おぼろ月の出ている夜。おぼろ夜。また、古くは、おぼろ月のこと。おぼろづくよ。《季 春》「人黒し—の花あかり/子規」
おぼろづくよ【朧月夜】
源氏物語の中の「花の宴」「賢木(さかき)」の巻に登場する人物。二条太政大臣の娘で、弘徽殿(こきでん)太后の妹。朱雀院の御匣殿(みくしげどの)。のち、尚侍(ないしのかみ)。