たえ【栲/𣑥】
1 カジノキなどの繊維で織った白い布。 2 布類の総称。「にき—」「あら—」
たく【栲】
コウゾの古名。「常に—の皮を取りて木綿(ゆふ)を造る」〈豊後国風土記〉
たく‐づの【栲綱】
コウゾなどの繊維で作った綱。たくなわ。
たくづの‐の【栲綱の】
[枕]コウゾで作った綱が白いところから、「しろ」「しら」にかかる。「—新羅(しらき)の国ゆ」〈万・四六〇〉
たく‐なわ【栲縄】
コウゾの繊維で作った縄。たくづの。「—の千尋(ちひろ)の縄打ち延(は)へ」〈記・上〉
たくなわ‐の【栲縄の】
[枕]長い栲縄の意から、「長き」「千尋(ちひろ)」にかかる。「—長き命を欲(ほ)りしくは」〈万・七〇四〉
たく‐ぬの【栲布】
コウゾの繊維で織った白布。「いかなれば恋にむさるる—のなほさゆみなる人の心そ」〈夫木・三三〉
たく‐ひれ【栲領巾】
栲布(たくぬの)で作ったひれ。「天つ少女の天つ—」〈謡・梅〉
たくひれ‐の【栲領巾の】
[枕] 1 領巾(ひれ)の色が白いところから、「白」「鷺(さぎ)」にかかる。「—白浜波の寄りもあへず」〈万・二八二二〉 2 領巾を首にかける意から、「かけ」にかかる。「—かけまく欲しき妹の名を」...
たく‐ぶすま【栲衾】
[名]コウゾなどの繊維から作った夜具。「むしぶすま柔(にこ)やが下に—さやぐが下に」〈記・上・歌謡〉 [枕]たくぶすまの色が白いところから、「しら」にかかる。「—白山風(しらやまかぜ)の寝(...