こな‐さん【此方様】
[代]二人称の人代名詞。「こなさま」のくだけた言い方。あんた。おまえさん。「—の孝行の道さへ立てば、わしも心は残らぬと」〈浄・宵庚申〉
こ‐な‐た【此方】
[代] 1 近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。「山の—」「静に—を振り向いて」〈二葉亭訳・あひゞき〉 「—へ給はらん」〈平家・一一〉 2 二...
こなた‐かなた【此方彼方】
[代]指示代名詞。 1 こちらとあちら。「白雲の—に立ちわかれ心を幣(ぬさ)とくだく旅かな」〈古今・離別〉 2 あちらこちら。「み山路やゆふこえくれば里みえて—に煙たつなり」〈新続古今・羇旅〉
こなた‐さま【此方様】
[代]二人称の人代名詞。あなたさま。「江戸元結屋の亭主は—の旦那と承りまして御座る」〈浮・好色盛衰記・五〉
こなた‐ざま【此方方】
こちらのほう。「—に渡りするものども立ちこみたれば」〈更級〉
こなた‐しゅう【此方衆】
[代]二人称の人代名詞。あなたがた。「—が放蕩者(だうらくもの)ぢゃの不孝者ぢゃのと」〈鳩翁道話・一〉
この‐かた【此の方】
[名]過去のある時から現在に向かっての期間。それ以来。また、現在までのある年月の間。「生まれて—見たことがない」「三年—忘れたことがない」 [代]三人称の人代名詞。「この人」のていねいな言い...
この‐ほう【此の方】
[代]一人称の人代名詞。わたくし。自分。男性が用いる。「—の屋敷は昼さへ出入り難く」〈浄・天の網島〉
こんた【此方】
[代]《「こなた」の音変化》二人称の人代名詞。おまえさん。「—の言ふ事があたり申さない」〈滑・膝栗毛・初〉