あげ‐まり【上げ鞠】
蹴鞠(けまり)で、けり始めの作法。懸かりの木や人に当たらないように、人の目の高さほどにけり上げる。貴人や名人が務めた。「御門(みかど)も御鞠に立たせ給へり。二条関白良実—し給ひき」〈増鏡・おりゐる雲〉
いが【毬/梂】
クリなどの果実を包んでいる、とげのある外皮。殻斗(かくと)の一種。
いた‐まり【板毬】
綿を芯(しん)にして表面は糸をきつく巻いた手毬。板の上など堅い所でつく。「よくかがったねえ、これは—かえ」〈滑・浮世風呂・三〉
おお‐でまり【大手鞠】
ヤブデマリの変種。落葉低木。葉は広卵形。初夏、白色の花が多数集まって球状に咲く。中性花のため、実はできない。庭園に植えられる。てまりばな。《季 夏》
かさ【梂/毬】
《「笠」と同語源》松やトチなどの実の殻(から)。
かじ‐まり【梶鞠】
七夕(たなばた)に行う蹴鞠(けまり)の行事。近世は、飛鳥井(あすかい)・難波両流の主催。門人の代表がカジノキの枝に鞠をかけて坪の内(中庭)に持参し、牽牛(けんぎゅう)・織女の二星を祭ったもの。梶...
きゅう【毬】
[人名用漢字] [音]キュウ(キウ)(漢) [訓]まり いが 〈キュウ〉まり。「打毬」 〈いが〉とげのある外皮。「毬栗(いがぐり)」 [難読]毬杖(ぎっちょう)・毬打(ぎっちょう)・松毬(ま...
きょく‐まり【曲鞠】
まりを使う曲芸。曲手鞠(きょくでまり)。
け‐まり【蹴鞠】
1 けって遊ぶのに用いる鹿革製のまり。 2 古代以来、貴族の間で行われた屋外遊戯。数人が革沓(かわぐつ)を履き、鹿革製の鞠を落とさないように、足の甲でけって受け渡しする。ふつう、鞠壺(まりつぼ)...
こ‐でまり【小手毬】
バラ科の落葉小低木。株立ちし、枝の先が垂れ、葉は長楕円形で先がとがる。春、白い小花が密生してまり状に咲く。中国の原産で、庭木にする。《季 春》「—の花に風いで来りけり/万太郎」