えん【淵】
[人名用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]ふち 1 水を深くたたえている所。「海淵・深淵」 2 物事の出てくる根源。「淵源」 3 物の多く集まる所。「淵藪(えんそう)」 [補説]「渊」「渕」...
えん‐げん【淵源】
物事の起こり基づくところ。根源。みなもと。「文化の—にさかのぼる」
えん‐すい【淵酔】
《古くは「えんずい」とも》平安時代以降、宮中の清涼殿殿上(てんじょう)の間(ま)に殿上人を召して催した酒宴。参会者は朗詠・今様などを歌い、歌舞を楽しんだ。正月三が日中の吉日、または新嘗祭(にいな...
えん‐そう【淵藪/淵叢】
《「淵」は魚の、「藪」は鳥獣の集まる所の意》物事の寄り集まる所。活動の中心地。「百工技芸の—にて」〈竜渓・経国美談〉
えん‐てい【淵底】
1 深い水の底。 2 物事の奥深いところ。おくそこ。 3 (副詞的に用いて)深く。詳しく。「—しりてしかけたる方便(てだて)おそろし」〈浮・昼夜用心記〉
どぶ‐づり【淵釣(り)】
アユの釣り方の一。重いおもりをつけ、毛針を川の淵(ふち)に沈め、静かに上下させて釣るもの。
ふち【淵/潭】
1 底が深く水がよどんでいる所。⇔瀬。 2 容易に抜け出られない苦しい境遇。苦境。「絶望の—に突き落とされる」
ふち‐かわ【淵川/淵河】
淵または川。また、水中。「—へ身を投げる」
ふち‐せ【淵瀬】
1 淵と瀬。川の深くよどんだ所と浅くて流れの速い所。 2 《古今集・雑下の「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」などから》世の中の移りやすく無常なことのたとえ。「—のならい」
淵(ふち)に臨(のぞ)みて魚(うお)を羨(うらや)むは退(しりぞ)いて網(あみ)を結(むす)ぶに如(し)かず
《「漢書」董仲舒伝から》岸辺に立って魚が欲しいとただ眺めているよりは、家に帰って魚を捕る網を編んだほうがいい。具体的に努力すべきであるという戒め。