なだ【灘/洋】
海で、風波が荒く、または流れが速くて航海の困難な所。「玄界—」「遠州—」
なだ【灘】
兵庫県の神戸市灘区から西宮市にかけての海岸地帯の称。天保11年(1840)宮水が発見されて以来、酒造地として知られる。摂津灘。 神戸市東部の区名。大阪湾に面し、沿岸は工業地帯。
なだ‐く【灘区】
⇒灘
なだ‐ごごう【灘五郷】
兵庫県、灘一帯の酒造地の称。西宮市の今津郷・西宮郷、神戸市東灘区の東郷・中郷、同灘区の西郷の五つ。宮水が湧出し、灘の生一本(きいっぽん)で知られる。
なだ‐ざけ【灘酒】
兵庫県の灘地方から産する清酒。古くから、良質の水と優秀な醸造技術からつくられた優良品と称されてきた。灘目酒(なだめざけ)。灘。
灘(なだ)の生一本(きいっぽん)
灘産のまじりけのない上等の清酒。
なだ‐の‐しおや【灘の塩屋】
摂津国灘のあたりで塩をつくる家。「いまさらに住みうしとてもいかならむ—の夕暮の空」〈新古今・雑中〉
なだ‐の‐しおやき【灘の塩焼き】
摂津国灘のあたりで塩をつくる人。「蘆の屋の—いとまなみ黄楊(つげ)の小櫛もささず来にけり」〈伊勢・八七〉
なだ‐ぶね【灘船】
摂津国灘付近の沖を通う船。また、江戸時代、酒や米などを積んで運んだ灘の廻船。
なだめ‐ざけ【灘目酒】
「灘酒(なだざけ)」に同じ。 [補説]灘目は灘地方の旧郷名。