う‐えん【烏焉】
《「烏」「焉」は、字形が似ていて誤りやすいところから》文字の誤り。写し誤り。魯魚焉馬(ろぎょえんば)。 [補説]「馬」を加えて「烏焉馬(うえんば)」ともいう。
えん【焉】
《漢文の助字》句末に置いて語調を整え、また、断定の意を表す語。訓読ではふつう読まないが、「我関せず焉」などの場合には読む。
えん【焉】
［音］エン（呉）（漢） ［訓］いずくんぞ なんぞ ここに いずくにか これ １ ようすを表す語に添える助字。状態を示す。「溘焉(こうえん)・忽焉(こつえん)」 ２ 「ここに」の意を添える助字。「...
かく‐えん【赫焉】
［ト・タル］［文］［形動タリ］あかあかと光り輝くさま。「忽然霊(たましい)の入りたる如く—として燃え出でしなり」〈蘆花・自然と人生〉
けち‐えん【掲焉】
［形動ナリ］著しいさま。目立つさま。けつえん。「人の様体、色合ひなどさへ—に顕れたるを見渡すに」〈紫式部日記〉
けつ‐えん【掲焉】
⇒けちえん（掲焉）
けん‐えん【慊焉】
［ト・タル］［文］［形動タリ］《「慊」には満足と不満足との二様の意がある》 １ あきたらず思うさま。不満足なさま。「心中、—たるものがある」 ２ （多く下に打消しの語を伴って用いる）満足に思うさ...
こう‐えん【溘焉】
［ト・タル］［文］［形動タリ］にわかなさま。多く、人の死去のさまにいう。「—として逝く」「—たる死」
こつ‐えん【忽焉】
［ト・タル］［文］［形動タリ］突然ある状態になるさま。にわかに。たちまち。忽然。「—として湧起こった」〈中島敦・名人伝〉
しゅう‐えん【終焉】
生命が終わること。死を迎えること。また、その時。臨終。最期。末期(まつご)。比喩的にも用いる。「—の地」「近代の—」 [補説]書名別項。→終焉
