む‐みょう【無明】
《(梵)avidyāの訳》仏語。邪見・俗念に妨げられて真理を悟ることができない無知。最も根本的な煩悩で、十二因縁の第一、三惑の一とされる。
むみょう‐じょうや【無明長夜】
仏語。無明ゆえに生死流転していくことを、長い夜にたとえていう語。 [補説]書名別項。→無明長夜(むみょうちょうや)
むみょう‐せかい【無明世界】
仏語。無明による迷妄に支配された世界。煩悩にとらわれた迷いの世界。娑婆(しゃば)。
むみょうちょうや【無明長夜】
吉田知子の短編小説。昭和45年(1970)発表。同年、第63回芥川賞受賞。
むみょう‐の‐さけ【無明の酒】
人間を惑わす煩悩を、正常な心を失わせる酒にたとえていう語。「—の酔(ゑ)ひ心」〈謡・紅葉狩〉
むみょうのちょう【無明の蝶】
出久根達郎の短編小説、および同作を表題作とする小説集。作品集は平成2年(1990)の刊行。収録作のうち表題作と「猫じゃ猫じゃ」「四人め」「とろろ」の4作が、第104回直木賞の候補作となる。
むみょう‐の‐ねむり【無明の眠り】
無明の境にさまようことを眠りにたとえていう語。
むみょう‐の‐やみ【無明の闇】
煩悩にとらわれ悟りえない心の状態を闇にたとえていう語。