くゆら‐か・す【燻らかす/薫らかす】
[動サ四]くゆらす。「たき物—・して」〈増鏡・あすか川〉
くゆら・す【燻らす/薫らす】
[動サ五(四)]煙を緩やかに立ちのぼらせる。くゆらせる。「タバコを—・す」 [動サ下二]「くゆらせる」の文語形。
くゆら・せる【燻らせる/薫らせる】
[動サ下一][文]くゆら・す[サ下二]「燻(くゆ)らす」に同じ。「紫煙を—・せる」
くゆ・る【燻る/薫る】
[動ラ五(四)] 1 煙がゆるやかに立つ。くすぶる。「タバコの吸い殻が—・る」 2 あれこれと思い悩む。「富士のねの絶えぬ思ひもある物を—・るはつらき心なりけり」〈大和・一七一〉
くん【燻】
[音]クン(呉)(漢) [訓]いぶる いぶす くすべる ふすべる いぶす。「燻煙・燻蒸・燻製」 [補説]「熏」は本字。
くん‐えん【燻煙】
物を燃やして多量の煙を出すこと。また、その煙。煙でいぶすこと。「—室」
くんえん‐ざい【燻煙剤】
加熱によって煙霧質となり、殺虫・殺菌の効力のある薬剤。
くんえん‐ざい【燻煙材】
燻製を作る際に必要な煙を出すための木材。
くん‐しつ【燻室】
魚・獣肉の燻製を作るために燻煙をほどこす部屋。燻煙室。
くん‐じょう【燻蒸】
[名](スル) 1 いぶしむすこと。いぶった煙が立ちのぼること。 2 有毒ガスでいぶして殺虫・消毒を行うこと。「倉庫の穀物を—する」