きおい【競い/勢い】
1 張り合うこと。競争すること。 2 強い勢い。気勢。「墨摺流(すりなが)す空の—夕立の雨の一しきり」〈二葉亭・浮雲〉 3 「競い肌」に同じ。「職人らしき—の風」〈露伴・五重塔〉 4 「競い馬」...
きおい‐うま【競ひ馬】
「競(くら)べ馬」に同じ。「—の鼓に我を打ちこめて出(い)だしもはてぬ世にこそありけれ」〈夫木・二七〉
きおい‐かか・る【競ひ掛かる】
[動ラ四] 1 勢い込んで激しく攻めかかる。「味方—・り候間、敵方引き退き候」〈伊達日記・上〉 2 勢い込む。「お悦(よろこ)びであらうと—・って戻ったに」〈浄・栬狩剣本地〉
きおい‐がお【競ひ顔】
相手に負けまいと張り合うような顔つき。「—にやとて思し止まりぬ」〈栄花・根合〉
きおい‐ぐち【競ひ口】
勢いののったとき。調子づいたはずみ。「敵は十分勝ち誇ったる—」〈浄・島原蛙合戦〉
きおい‐はだ【競い肌】
任侠(にんきょう)のような気風。勇み肌。
きそい【競い】
きそうこと。せり合い。競争。「仲間の—に由(よ)るものなり」〈福沢・文明論之概略〉
きそい‐あ・う【競い合う】
[動ワ五(ハ四)]互いに負けまいと競争し合う。「成績を—・う」
きそい‐がり【競い狩(り)】
昔、陰暦5月5日に、山野に出て薬草を採集した行事。薬狩り。 [補説]「かきつはた衣に摺り付け丈夫(ますらを)の着襲(きそ)ひ狩りする月は来にけり」〈万・三九二一〉の「着襲ひ狩り(=着飾ってする狩...
きそい‐た・つ【競い立つ】
[動タ五(四)] 1 先を争うように立つ。「高層ビルが—・つ中心街」 2 先を争うように事を始める。「此機に乗じて江刺に対(むか)い回復なさんと—・ち」〈染崎延房・近世紀聞〉