さん‐らい【三籟】
《「荘子」斉物論の「汝(なんじ)人籟を聞くも未だ地籟を聞かず。汝地籟を聞くも未だ天籟を聞かず」から》天・地・人間の発する三つ響き。天籟・地籟・人籟。
しょう‐らい【松籟】
松の梢(こずえ)に吹く風。また、その音。松韻。松濤(しょうとう)。 [補説]書名別項。→松籟
しょうらい【松籟】
富安風生の第3句集。昭和15年(1940)刊行。
しん‐らい【神籟】
妙(たえ)なる響き。すぐれた音楽・詩歌などをたたえていう。
じん‐らい【人籟】
人の作り出すさまざまな音。「—すべて絶えて」〈蘆花・自然と人生〉
せい‐らい【清籟】
清らかな風の音。木々を渡る、さわやかな風の音。「何処にか一陣の—蕭々として起り」〈蘆花・自然と人生〉
そう‐らい【爽籟】
秋風のさわやかなひびき。《季 秋》「—や空にみなぎる月あかり/草城」
ち‐らい【地籟】
地上に起こるいろいろの響き。「天籟か、—か、我が此の心に真個革命の猛火を燃やしたのであった」〈木下尚江・良人の自白〉
てん‐らい【天籟】
1 天然に発する響き。風が物に当たって鳴る音など。 2 詩文の調子が自然で、すぐれていること。絶妙の詩文。「—の文章」
ばん‐らい【万籟】
種々のものが、風に吹かれて立てる音。また、すべての物音。衆籟。「—死して落葉さえ動かねば」〈露伴・二日物語〉