る【縷】
細い糸。糸すじ。「青煙—の如く立ち昇るを見る」〈独歩・入郷記〉
る【縷】
[音]ル(呉)(漢) 1 細々と連なる糸筋。「一縷」 2 細く、途切れずに続くさま。こまごまとしたさま。「縷言・縷述・縷説・縷陳・縷縷」 3 ぼろ。「襤縷(らんる)」
る‐げん【縷言】
[名](スル)こまごまと詳しく述べること。また、その言葉。縷述。縷説。縷陳。「—を要しない」
る‐こう【縷紅/留紅】
「縷紅草(るこうそう)」の略。
るこうしんそう【縷紅新草】
泉鏡花の短編小説。昭和14年(1939)7月、雑誌「中央公論」に掲載。鏡花の生前に発表された最後の作品。
るこう‐そう【縷紅草】
ヒルガオ科の蔓性(つるせい)の一年草。葉は深く切れ込んで羽状をなし、互生。夏に、漏斗状で先が星形の赤い花を開く。熱帯アメリカの原産で、観賞用。《季 夏》「看護婦と茶飲咄(ちゃのみばなし)や—/波郷」
る‐じゅつ【縷述】
[名](スル)事細かに述べること。縷言。縷陳。縷説。「以上、—し来たりたる生の経歴と性質とは」〈藤村・春〉
る‐せつ【縷説】
[名](スル)こまごまと説明すること。また、その説明。縷言。縷述。「事の始終を—する」
る‐ちん【縷陳】
[名](スル)「縷述」に同じ。「徒らに無益の痴情を—して」〈菊亭香水・世路日記〉
る‐る【縷縷】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 細く長くとぎれることなく続くさま。「次から次へ—として続いた」〈里見弴・多情仏心〉 2 こまごまと詳しく述べるさま。副詞的にも用いる。「—として語る」「—説明する」