おい‐の‐いりまい【老いの入舞】
年をとってから最後の一花を咲かせること。「そのまま人の嫌ふ事をも知らで—をし損ずるなり」〈花鏡〉
おい‐の‐かたうど【老いの方人】
老人のために気を吐く人。年寄りの味方。「この人の後には誰にか問はん、などいはるるは、—にて」〈徒然・一六八〉
おい‐の‐くりごと【老いの繰(り)言】
老人が、言ってもしかたのないことを、くどくどと繰り返し言うこと。「—と聞き流す」
おい‐の‐さか【老いの坂】
苦難に耐えながら年をとってゆくのを、坂道を上るのにたとえた語。
おい‐の‐さか【老ノ坂】
京都市と亀岡市との間にある峠。山陰道の京都への入り口。標高193メートル。老齢を重ねることに掛けても用いる。 [補説]「大枝(おい)の坂」とも書いた。
おい‐の‐つもり【老いの積もり】
年齢が重なって老いること。「—にや、悩ましくのみして、もの心細かりければ」〈源・関屋〉
おい‐の‐なみ【老いの波】
老齢になること。「年寄る」の「寄る」の縁で「波」を出し、また顔に寄るしわから波を連想した言い方。「—磯額(いそびたひ)にぞ寄りにける、哀れ恋しき若の浦かな」〈梁塵秘抄・四九〇〉
おい‐の‐はる【老いの春】
1 晩春と人の老齢とを掛けていう語。「花鳥になほあくがるる心かな—とも身をば思はで」〈風雅・雑上〉 2 老いて迎える新春。《季 新年》「それも応(おう)是(これ)もおうなり—/涼菟」〈一幅半〉
おい‐の‐ひがみみ【老いの僻耳】
年をとって耳が遠くなり、聞き誤りが多くなること。また、ひがんで悪く解釈すること。
おい‐は・てる【老(い)果てる】
[動タ下一][文]おいは・つ[タ下二]年をとり衰える。「往年の名優もすっかり—・てた」