うきよ‐ぞうし【浮世草子】
江戸時代の小説の一種。天和2年(1682)刊の井原西鶴の「好色一代男」以後、元禄期を最盛期として約80年間、上方(かみがた)を中心に行われた小説の一種。仮名草子と一線を画した写実的な描写が特色で...
おとぎ‐ぞうし【御伽草子】
室町時代から江戸初期にかけて作られた短編物語の総称。平安時代の物語文学から仮名草子に続くもので、空想的・教訓的な童話風の作品が多い。また、特に江戸中期、享保(1716〜1736)のころ、大坂の渋...
かな‐ぞうし【仮名草子】
江戸初期に行われた小説類の呼称。婦人・子供向けに、平易な仮名文で書かれた、啓蒙娯楽を主としたものが多い。「恨之介(うらみのすけ)」「一休咄(いっきゅうばなし)」など、室町時代の御伽草子の伝統を受...
かぶき‐ぞうし【歌舞伎草子】
初期歌舞伎、特に女歌舞伎のようすや、歌舞伎踊りの歌謡などを記した草子。室町末期から江戸初期にかけての成立と考えられ、4種が現存。
じゅうにだんぞうし【十二段草子】
古浄瑠璃。作者未詳。室町中期以後に成立した御伽草子による語り物で、牛若丸と浄瑠璃姫との恋物語を脚色したもの。近世初期に流行し、以後、この種の語り物を浄瑠璃と称するようになった。浄瑠璃姫物語。浄瑠...
そう‐し【草紙/草子/双紙/冊子】
《「さくし(冊子)」の音変化か》 1 漢籍・和本などで、紙を綴(と)じ合わせた形式の書物。綴じ本。 2 物語・日記・歌書など、和文で記された書物の総称。 3 御伽(おとぎ)草紙・草(くさ)双紙な...
ふくとみぞうし【福富草子/福富草紙】
御伽草子。1巻。作者未詳。南北朝時代の成立とされる。放屁(ほうひ)のじょうずな福富長者をまねた男の失敗談。絵巻物としても伝わる。福富長者物語。
ふくろ‐ぞうし【袋草紙/袋草子】
袋綴(ふくろと)じにした冊子。 [補説]書名別項。→袋草紙
ぶんしょうぞうし【文正草子】
室町時代の御伽草子。2巻。作者未詳。鹿島大明神の大宮司の下男である文太(のちに文正)が、塩売りをして長者となり、大納言にまで出世する庶民の立身談。塩焼き文正。文正の草子。
まくらのそうし【枕草子】
平安中期の随筆。清少納言作。長保2年(1000)ころの成立とされる。作者が一条天皇の中宮定子(ていし)に仕えていたころの宮仕えの体験などを、日記・類聚(るいじゅう)・随想などの形で記し、人生や自...