いだし‐うちき【出袿】
「出衣(いだしぎぬ)1」に同じ。「桜の直衣(なほし)に—して」〈枕・四〉
うち‐き【袿】
《「うちぎ」とも》平安時代以来、貴族の男性が狩衣(かりぎぬ)や直衣(のうし)の下に着た衣服。女性の場合は唐衣(からぎぬ)の下に着た。単に衣(きぬ)ともいわれる。
おお‐うちき【大袿】
裄(ゆき)・丈(たけ)などを大きく仕立てた袿。禄(ろく)として与えられるもので、着るときは普通の袿に仕立て直す。
かさね‐うちき【重ね袿】
《「かさねうちぎ」とも》平安時代以降、公家の女子が日常着として、単(ひとえ)の上に袿を数枚重ねて着ること。重ねの袿。五つ衣(ぎぬ)。
こ‐うちぎ【小袿】
《古くは「こうちき」》平安時代以降用いられた高位の宮廷女性の上着。準正装として重袿(かさねうちき)の上に着る。普通の袿よりも身丈が短い。
み‐うちき【御袿/御打ち着】
天皇が装束を着用または着かえること。一説に、天皇の髪を整えること。「上は—の人召して」〈源・紅葉賀〉