うち‐どの【打ち殿/擣ち殿】
装束に仕立てる平絹や綾を砧(きぬた)で打ってつや出しするための建物。「ここかしこの—より参らせたる擣(う)ち物ども」〈源・玉鬘〉
うち‐ばかま【打袴】
女房装束の際に用いた袴で、絹地を砧(きぬた)で打って光沢を出したもの。のちには、板引きにして光沢を出した。色は紅が多い。
うほう‐の‐まい【右方の舞】
雅楽で、右方の楽により右方の舞人がまう舞。朝鮮および中国東北地方の舞で、舞人は緑色系統の装束をつけ、舞台後方、向かって右側から出入りする。右舞(うまい・うぶ)。⇔左方の舞。
うわ‐はらまき【上腹巻】
鎧(よろい)の一種。装束の上につける護身用の武具。
えい‐こう【裛衣香/裛被香】
装束にたきしめる香。また、その材料。栴檀(せんだん)の葉や樹皮から作るという。えび。えい。えいのか。「—の香の紛(まが)へるいと艶なり」〈源・初音〉
え‐が【垣下】
「えんが」の撥音の無表記。「君達(きんだち)の、斎院の—にとて、日の装束(さうぞく)うるはしうして」〈枕・二二二〉
え‐ぎぬ【絵衣】
近世、采女(うねめ)の着用した装束の一。表は椿の花に雲を配した彩色の白練り絹、裏は萌葱(もえぎ)色の無地の生絹(すずし)を用いた。うねめぎぬ。
えもん‐かた【衣紋方】
公家・武家で、故実に従った装束の着用指導に当たる役。
えもん‐け【衣紋家】
公家や武家の装束の着装法などをつかさどった家。山科(やましな)家・高倉家など。
衣紋(えもん)を繕(つくろ)・う
衣服・装束に乱れがないよう心を配る。また、衣服の着崩れを整える。「須賀は—・って、…すたすたと歩き出した」〈円地・女坂〉