こ‐のうし【小直衣】
上皇・親王や公卿が着用した略儀の装束。狩衣(かりぎぬ)の裾に襴(らん)をつけた形式のもので、狩衣よりは晴儀の所用。地質・色目・文様は狩衣と同じ。狩衣直衣。有襴(うらん)の狩衣。傍続(そばつぎ)。
こ‐ほう【小袍】
袖が一幅(ひとの)で、端袖(はたそで)をつけない袍。貴人の元服・結髪に奉仕する者が、常の装束の上に着た。
こわごわ・し【強強し】
[形シク] 1 いかにもこわばっている。ごわごわしている。「裳、唐衣(からぎぬ)など—・しく装束きたるもあり」〈能因本枕・一二四〉 2 無骨である。ぎこちない。「おのづから—・しき声に読みなされ...
こわ‐そうぞく【強装束】
公家の装束で、袍(ほう)や直衣(のうし)などの地質にのりを固く引き、冠帽類には漆を厚く塗って、折り目をつけた形の着装様式。平安末期から流行した。こわしょうぞく。→萎装束(なえそうぞく)
こんごう‐し【金剛子】
モクゲンジの木の実。黒色で堅く、丸くて六つの角がある。糸に通して数珠にする。「—の数珠の玉の装束したる」〈源・若紫〉
さいきゅうき【西宮記】
平安時代の有職故実書。源高明著。村上天皇のころの公事(くじ)や朝儀、臨時の儀式、作法・装束・制度などについて漢文で解説。西宮日記。西宮抄。さいぐうき。せいきゅうき。
さい‐し【釵子】
1 平安時代、女房の晴の装束で、宝髻(ほうけい)とよぶ髪上げの際に使用したかんざし。 2 近世以来、女房が正装のときに前髪の正面につけた飾りの平額(ひらびたい)。従来の釵子をかんざしと呼んだこと...
さい‐じゃく【纔着】
1 装束の丈(たけ)を、着る人の身の丈と等しくすること。 2 束帯の下襲(したがさね)の裾を足首までの長さとしたもの。
さほう‐の‐まい【左方の舞】
雅楽で、左方の楽により、左方の舞人がまう舞。中国・インド系の舞で、舞人は朱色系統の装束をつけ、舞台向かって左側から出入りする。左舞(さまい・さぶ)。⇔右方の舞。
し‐た・つ【仕立つ】
[動タ四]「仕立てる」に同じ。「みな装束—・ちて暗うなりにたる程に持て来て着す」〈枕・九〇〉
[動タ下二]「したてる」の文語形。