せり【迫り】
劇場で、舞台の床の一部を切り抜き、俳優や大道具などを床の上にのせて上下させる装置。歌舞伎では宝暦期(1751〜1764)に始まる。
せり‐あが・る【迫り上(が)る】
[動ラ五(四)] 1 下方から上方へ少しずつ高くなる。「町外れに小高い丘が—・る」 2 劇場の迫(せ)りの装置で奈落(ならく)から舞台や花道に上がる。「主役が舞台中央に—・る」
せり‐あげ【迫り上げ】
劇場で、俳優や大道具を奈落(ならく)から舞台または花道へ押し上げること。また、その装置。迫り出し。⇔迫り下げ。
せり‐あ・げる【迫り上げる】
[動ガ下一][文]せりあ・ぐ[ガ下二] 1 徐々に高くする。少しずつ押し上げる。「リフトで荷物を—・げる」 2 劇場で、俳優や大道具を迫(せ)りを用いて奈落(ならく)から押し上げる。「屋台を—・げる」
せり‐おろし【迫り下ろし】
⇒迫(せ)り下げ
せり‐か・く【迫り掛く】
[動カ下二]問いつめて迫る。詰問する。「二つに一つの返答せい、なんとなんと、と—・けられ」〈浄・日本武尊〉
せり‐こみ【迫り込み】
⇒迫(せ)り下げ
せり‐こ・む【迫り込む】
[動マ五(四)]押し分けて無理に入り込む。割り込む。「—・んで行く多くの同業者と劇しい競争を」〈秋声・あらくれ〉
せり‐さげ【迫り下げ】
劇場で、舞台または花道の俳優や大道具を奈落(ならく)へ下げること。また、その装置。迫り下ろし。迫り込み。⇔迫り上げ。
せり‐た・てる【迫り立てる】
[動タ下一][文]せりた・つ[タ下二]せきたてる。急がせる。「疾(はや)く疾くと—・つれば」〈露伴・五重塔〉