しこ【醜】
(多く接頭語的に、また「しこの」の形で用いて)醜悪なもの、憎みののしるべきものなどにいう。また、卑下の気持ちを込めて用いることもある。「—女(め)」「—草」「—の御楯(みたて)」 [補説]本来は...
しこ‐お【醜男】
1 醜い男。ぶおとこ。 2 強くたくましい男。「此は葦原—と謂(い)ふぞ」〈記・上〉
しこ‐ぐさ【醜草】
悪い草。嫌な草。雑草。「忘れ草我が下紐に着けたれど醜(しこ)の—言(こと)にしありけり」〈万・七二七〉
しこ‐な【醜名】
1 (「四股名」とも当てて書く)相撲の力士の呼び名。「双葉山」「大鵬」など。 2 あだ名。 3 諱(いみな)のこと。本名。〈名義抄〉 4 自分の名を謙遜していう語。「明理(あきまさ)の濫行に行成...
しこ‐の‐ますらお【醜の大夫】
愚かしい男。男性が自分を謙遜していう語。また、男性をののしっていう語。「ますらをや片恋せむと嘆けども—なほ恋ひにけり」〈万・一一七〉
しこ‐の‐みたて【醜の御楯】
天皇の楯となって外敵を防ぐ者。武人が自分を卑下していう語。「今日よりは顧みなくて大君の—と出で立つわれは」〈万・四三七三〉
しこ‐め【醜女】
1 容貌(ようぼう)のみにくい女。しゅうじょ。 2 黄泉(よみ)の国にいたという、容貌のみにくい女の鬼。「黄泉(よも)つ—を遣はして追はしめき」〈記・上〉
しこめ・し【醜めし】
[形ク]汚く、みにくい。「—・き汚穢(きたな)き国に到(き)にけり」〈神代紀・上〉
しこめのしょうぞう【醜女の肖像】
《原題、(オランダ)Portret van een groteske oude vrouw》マセイスの絵画。板に油彩。縦64センチ、横45センチ。裕福ではあるが醜い老女を風刺的に描いた作品。ロン...
しこ‐や【醜屋】
汚い小屋。「さし焼かむ小屋(をや)の—にかき棄(う)てむ破薦(やれごも)を敷きて」〈万・三二七〇〉 [補説]用例の原表記は「四忌屋」で、「しきや」と読む説もある。