露(つゆ)知(し)ら◦ず
《「露」は副詞》まったく知らないで。全然知らずに。「資格をわれに求むる事は—◦ず」〈漱石・虞美人草〉
つゆ‐じも【露霜】
1 《古くは「つゆしも」》 2 露と霜。また露、特に凍ってなかば霜となった露。水霜。《季 秋》「—の烏がありく流離かな/楸邨」 3 年月。星霜(せいそう)。「—はあらたまるとも」〈新古今・仮名序〉
つゆじも‐の【露霜の】
[枕]おく露霜が消えやすい意から「おく」「消(け)」「過ぎ」にかかる。つゆしもの。「寄り寝し妹(いも)を—置きてし来れば」〈万・一三一〉
つゆだんだん【露団々】
幸田露伴の処女小説。明治22年(1889)「都の花」誌に発表した短編作品。 山口青邨の自選句集。昭和21年(1946)刊行。
つゆ‐ちり【露塵】
1 きわめてわずかなことや、また、価値のないもののたとえ。「いよいよ不平は懐(いだ)けど—ほども外には出(いだ)さず」〈露伴・五重塔〉 2 (あとに打消しの語を伴って副詞的に用いて)少しも。全然...
つゆ‐つき【露付き】
電化製品の内部に生じて、機器が正常に動作しなくなる結露。
つゆ‐の‐いのち【露の命】
露のように消えやすい命。はかない命。露命(ろめい)。「ありさりて後も逢はむと思へこそ—も継ぎつつ渡れ」〈万・三九三三〉
つゆ‐の‐ごろべえ【露の五郎兵衛】
[1643〜1703]江戸前期の落語家。京都の人。号は雨洛・露休。辻噺(つじばなし)を創始し、洛中各地で興行、軽口頓作(とんさく)で人気を博した。著「露がはなし」「露新軽口ばなし」など。
つゆ‐の‐てんじんしゃ【露天神社】
⇒曽根崎天神
つゆ‐の‐ま【露の間】
露がおいてから消えるまでの間。転じて、ちょっとの間。「ぬれてほす山路の菊の—にいつか千歳(ちとせ)を我は経にけむ」〈古今・秋下〉