とに‐に【頓に】
[副]《「とに」は「頓」の字音「とん」から》「とみに」に同じ。「風波(かぜなみ)、—やむべくもあらず」〈土佐〉
とみ【頓】
[名・形動ナリ]《「頓」の字音「とん」の音変化》にわかなこと。急なこと。また、そのさま。→頓(とみ)に「—の事にて預め知らするに由なかりしが」〈鴎外・舞姫〉 「—なる召使ひの、来あひたりつればな...
とみ‐に【頓に】
[副]急に。にわかに。「近年—人口が増える」「名声が—高まる」
とん【頓】
[常用漢字] [音]トン(呉)(漢) [訓]とみに ひたすら 1 頭を地面につけて礼をする。ぬかずく。「頓首」 2 その場にとどまる。落ち着く。「整頓・停頓」 3 すぐに。即座に。急に。とみに。...
とん‐きょ【頓狂】
[名・形動]「とんきょう(頓狂)」に同じ。「—な事をしていたのに気が付いた」〈有島・或る女〉
とん‐きょう【頓狂/頓興】
[名・形動]だしぬけに、その場にそぐわない調子はずれの言動をすること。また、そのさま。「—な声を上げる」
とん‐ぎょう【頓教】
仏語。修行の階程を経ないで、直ちに成仏できると説く教え。また、最初からいきなり深遠な大乗の理法を説く教え。→漸教(ぜんきょう)
とん‐ぐう【頓宮】
仮の宮殿。行宮(あんぐう)。「廟院の南に—あり」〈著聞集・四〉
とん‐ご【頓悟】
仏語。長期の修行を経ないで、一足とびに悟りを開くこと。⇔漸悟(ぜんご)。
とん‐さい【頓才】
その場に応じてうまく働く知恵。機転をきかせる才。頓知の才。「彼等一流の奇智—を掉(ふる)って」〈里見弴・多情仏心〉