ほろ
[副] 1 涙の落ちるさま。ほろり。「—と泣いたる可愛さ」〈浄・女護島〉 2 キジ・ホトトギスなどの鳴く声を表す語。ほろろ。「いづれ山路のほととぎす、—と鳴いたをいついつ忘れう」〈浄・吉野忠信〉
ほろ‐ほろ
[副] 1 葉や花、涙などが静かにこぼれ落ちるさま。はらはら。「山吹の花びらが—と散る」「—(と)涙を流す」 2 山鳥などの鳴く声を表す語。「山鳥が—(と)鳴く」 3 力を入れなくても、ばらばら...
ほろろ
[副]キジやヤマドリなどの鳴く声を表す語。ほろほろ。「春の野のしげき草葉の妻恋ひに飛び立つきじの—とぞ鳴く」〈古今・雑体〉
ほろろを打(う)・つ
キジやヤマドリなどが鳴いて羽ばたきする。ほろろを掛く。「きぎす鳴く春の大野を見渡せば早蕨(さわらび)あさりほろろうつなり」〈為忠集〉
まが・う【紛う】
[動ワ五(ハ四)] 1 他のものとよく似ていてとりちがえる。現在では連体形のみが用いられ、一般には「まごう」と発音されることが多い。「海かと—・うばかりの大湖」 2 入り乱れる。「梅の花散り—...
まそが‐よし【真菅よし】
[枕]類音の「そが」にかかる。ますがよし。ますげよし。「—宗我(そが)の川原に鳴く千鳥」〈万・三〇八七〉
まつ‐むし【松虫】
1 直翅(ちょくし)目マツムシ科の昆虫。コオロギ類の一種。体長2センチくらい、淡褐色で、触角が長い。雌は錐(きり)状の長い産卵管をもつ。雄は発音器のある幅広い翅(はね)をもち、ススキなどの根際で...
まの‐の‐いりえ【真野の入江】
滋賀県大津市堅田町真野の、真野川が琵琶湖に注ぐ所にあった入り江。[歌枕]「鶉(うづら)鳴く—の浜風に尾花なみよる秋の夕暮」〈金葉・秋〉
み‐いくさ【御軍】
天皇の軍隊の敬称。皇軍。「鶏(とり)が鳴く東(あづま)の国の—を召し給ひて」〈万・一九九〉
み‐さび【水銹/水錆】
池などの水面に浮かぶ錆(さび)のようなもの。水渋(みしぶ)。「あさりせし水の—に閉ぢられてひしの浮き葉に蛙鳴くなり」〈千載・夏〉