とり‐もち【鳥黐/黐】
さおの先などに塗りつけて小鳥や昆虫などを捕らえるのに用いる粘着力の強い物質。モチノキ・クロガネモチ・ヤマグルマなどの樹皮から作る。もち。
はが【擌/黐擌】
《「はか」とも》竹や木の枝に黐(もち)をつけ囮(おとり)をおいて小鳥を捕らえるわな。はご。「わらはべ—立てて鳥とる」〈恵慶集・詞書〉
はご【擌/黐擌】
1 「はが」に同じ。「手足もかなはず、—にかかりし野末の鳥」〈浄・五枚羽子板〉 2 (1にかかった鳥のように)借金や災難で身動きできない状態。また、その借金など。「手前に—は、しょはせやあしねえ...
もち【黐】
《「糯(もち)」と同語源》 1 モチノキの別名。《季 花=夏 実=秋》 2 モチノキなどの樹皮を水に漬けてから煮て作る粘りけの強いもの。小鳥などを捕らえるのに使用。とりもち。
もち‐ざお【黐竿】
小鳥や昆虫を捕らえるために、先端にとりもちをつけた竹竿。
もち‐つつじ【黐躑躅】
1 ツツジ科の常緑低木。低山地に自生。葉は楕円形で質が薄い。春、紅紫色の漏斗状の花を開き、花びら上面に濃紅色の斑点がある。萼(がく)や花柄には腺毛が多く、粘る。ねばつつじ。 2 襲(かさね)の色...
もち‐どり【黐鳥】
《「もちとり」とも》とりもちにかかった鳥。〈和英語林集成〉
もちどり‐の【黐鳥の】
[枕]とりもちにかかった鳥が飛び立てないところから離れにくい意の「かからはし」にかかる。「—かからはしもよ行くへ知らねば」〈万・八〇〇〉
もち‐なわ【黐縄】
鳥などを捕らえるために、もちを塗った縄。
もち‐の‐き【黐の木】
モチノキ科の常緑小高木。海岸や山野に多い。葉は楕円形で厚く、つやがある。雌雄異株。4月ごろ、黄緑色の小花を密生し、丸く赤い実を結ぶ。庭木とし、樹皮から鳥もちを作り、材は狂いが少ないので細工物に用...